化学繊維で製造されているタオルの特徴や魅力をご紹介

    化学繊維の拡大図

    前回の記事では、麻や毛、絹などの天然素材で製造されるタオルの特徴や魅力についてご紹介しましたが、今回は最近身近になっている化学繊維で製造されているタオルの特徴や魅力についてご紹介いたします。

    天然繊維を手本として様々な機能や形状を持たせるために人工的に作り出された化学繊維は種類も豊富でそれぞれが持つ特徴も多様化しています。

    最近では特徴としての長所だけが書かれているケースを見ますが、人の肌に触れるものになるのでその繊維が持つ特徴を把握しておくことも大事です。

    目次

    レーヨンのタオルの特徴について

    ◆ 綿より染色性が良い繊維

    木材のパルプが原料です。えぞ松や北洋の針葉樹の原木を細かく砕き、化学薬品で加熱加圧脱水し、長繊維と短繊維の両方の糸を作ることができます。

    レーヨンの成分は綿や麻と同じセルロースです。セルロースの純度が高いものの綿と比べると強度は低くなりますが伸度がある糸になります。

    綿より染色性が良く、吸湿性・吸水性は良いのですが、水を吸うと大きく膨潤し強度が低下します。また、濡れて伸びやすくなる特徴がある反面、濡れた肌に直接あてるとベタつく感じがし、洗濯時に収縮や変形が多いという欠点がありますが、最近ではこれが改良された糸も出てきています。

    キュプラのタオルの特徴について

    ◆ 絹に似た光沢と柔らかさ

    綿の繊維が短いもの(コットンリンターといいます)を酸化銅アンモニアを用いて紡出したものです。ドイツで工業生産されていたものを旭化成社が技術導入して生産したベンベルグという商標で取り扱っています。

    レーヨンに比べてやや強度があり、やや伸度が少ない糸になっています。光沢と柔らかな感触は絹糸に似ていますが、本質的にはセルロース繊維であるレーヨンに近いものでいろいろな点でレーヨンより優れたファッション性の高い糸です。

    染色性と吸湿性が良く、すべりと肌触りも良くドレープ性があり、静電気の少なさを利用して多くが服の裏地として使用されています。

    テンセル(リヨセル)のタオルの特徴について

    ◆ 環境に優しい化学繊維

    英国のコートルズ社で開発された特殊な精製セルロース繊維です。レーヨン、キュプラなどと製法の違いはありますが、何よりもセルロースを溶かす際に使用されるアミンオキサイドが糸を紡出した後で99%回収して再利用されるため、テンセルは環境負荷の少ない化学繊維としても知られています。

    家庭用品の品質表示法で、レーヨン・ポリノジック・キュプラは統一表示名として定められていますが、テンセルには適当な名称が定められてなく、日本では「指定外繊維」と表示されています。ヨーロッパでは「リヨセル」が使われています。

    ポリエステルに近い強度を持ち、湿ってもベタつき・型くずれが少ない特性をもっていることから、そのままでは肌触りがかたくてシワになりやすい生地を、物理的に揉んだり叩いたりして独特な産毛タッチのものにして商品化される事例が多いようです。

    綿と同じ染めが出来て強度があり、インディゴ染料によるロープ染色が可能なためデニム生地として広く使用されています。

    ナイロンのタオルの特徴について

    ◆ 世界中に広まった多岐にわたって活躍する繊維

    ナイロン繊維

    米国デュポン社のカローザス氏が製法を見つけた化学繊維です。

    「クモの糸より細く、絹より美しく、鋼鉄より強い」というキャッチフレーズで売り出され、瞬く間に世界中に広まりました。

    その種類は豊富で糸の強度や伸度を特色づけすることは出来ません。合成繊維の中では比較的親水性があり、乾きが早く、腐りにくいのですが、タオルとして吸水性・吸湿性が感じられるものにするのは困難です。酸性に弱い、対光性に弱い、静電気が発生しやすいという欠点を改良し、綿と組み合わせた素材も研究されています。

    ポリエステルのタオルの特徴について

    ◆ 日本人に最も親しみのある合成繊維

    ポリエステルの原料となる長繊維と短繊維の種類が豊富で様々な種類のポリエステル糸が作られています。

    綿とよく似た形状をしているため綿と混紡しやすいだけでなく、摩擦強度が強く、濡れても強度が低下せず、熱に強く、シワになりにくいという特徴があり、日本人には最も親しみのある合成繊維になっています。

    米国製タオルでは古くからタテ糸やヨコ糸に使用されていましたが、日本では1990年代の朝シャンタオルブールまでは綿とポリエステル混のものは受け入れられなかったため、業務用を除き日本製のタオルに積極的に使用されてはいませんが、シャリ感を求めるものを作るのには有効なため用いられています。

    アクリルのタオルの特徴について

    ◆ ウールと相性が合う繊維

    アクリルはウールに似た繊維です。短繊維にすると弾力性があって柔らかくふっくらとした繊維になるためニット衣料製品などに好まれて使われています。

    綿とポリエステルが似ていて、綿の欠点であるシワになりやすい点を補うために混紡されるように、アクリルも毛との混紡に好んで使用されますが、アクリルを単独で使用するとウールライクでありながら羊毛にはない、紫外線に強く虫やカビに強い製品を作ることも出来ます。

    ただし静電気が起きやすく、汚れを吸着しやすい、高温で型くずれしやすいという点もあります。


    いかがでしたでしょうか。

    自然繊維とは異なる化学繊維の多様性と利便性が良い製品につながっていることがうかがえます。

    日本製タオルでは多くが綿の製品になりますが、化学繊維の特徴を理解しておくことでタオルだけに限らず衣服品を購入する際に役立つものになるでしょう。

    なお、化学繊維のタオルとして有名なマイクロファイバー製のタオルについてはこちらの記事をご参考ください。

    ※今治タオルプロジェクト「タオル読本」を参考に一部変更して記事にしています。

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