タオルの教科書

※この記事は2020年6月6日に再編集しています。

お客様より「オーガニックコットンの製品はありますか?」「ワールドタオルのタオルはオーガニックコットンですか?」と質問をいただくケースがあります。

結論から申し上げると、当社が取り扱う今治タオルはオーガニックコットンではありません。

では、なぜ皆さんがそこまで“オーガニック”に魅かれるのでしょうか。

また、“オーガニックコットン”という言葉を聞いてどのようなイメージを持つでしょうか。

実はほとんどの人が知らない「オーガニックコットン」の真実について”当社としての見解”を以下に書かせていただきます。

この記事の目次

  1. オーガニックコットンの定義(通常のコットンとの違い)
  2. オーガニックコットンの製造方法
  3. オーガニックコットンは本当に肌に優しいの?
  4. オーガニックコットンの落とし穴

オーガニックコットン=「肌にやさしい」「安心・安全」など様々なキーワードが浮かび上がるかもしれませんが、それはいったい本当でしょうか?

1.オーガニックコットンの定義(通常のコットンとの違い)

環境への配慮や製造工程の違い

実はオーガニックコットンに対する調査が過去に行なわれたことがあります。

平成22年に中小企業基盤整備機構が「オーガニック・コットン表示ガイドライン策定に係る調査」という報告書をまとめており、そこには「オーガニックコットンとは農業や化学肥料を概ね3年間使用していない土壌で、農薬や化学肥料を使用しないで栽培された、遺伝子組み換えではないコットンであり、それを認証された原料のことである」と記されています。

つまり、オーガニックコットンとそれ以外のコットン(通常のコットンとします)の違いは、「環境への負荷が低く」「製造工程まで極力化学処理をしない」など“綿花を栽培する製造過程(農業段階)”のことであると言えます。
また製造方法以外にも労働環境などの社会的規範を守って栽培されています。

2.オーガニックコットンの製造方法

自然のチカラだけで生産

その為、オーガニックコットンであるかどうかは認証機関により農地管理や栽培方法を調べ、認証を受けた後でも毎年、専門の検査員が農場を訪問し、継続して基準どおりに管理しているのかを確かめます。

オーガニックコットンが出来るまでは自然任せです。畑は化学物質を使わず微生物や虫が作物に適した土壌を作っています。
肥料には牛糞や堆肥を使い、種に関してもオーガニック。発芽抑制剤や防腐剤も使っていません。

これまでは除草剤や殺虫剤を使い素早く刈り取り、大量生産を行っていましたが、オーガニックコットンは化学物質を使わないので、殺虫剤の代わりにてんとう虫などの益虫の力を借りています。
または虫が嫌がるニームエキスを散布したり、唐辛子やハーブを一緒に植えるなどして害虫がつくのを防ぎます。

3.オーガニックコットンは本当に肌に優しいの?

製造過程が違うだけで肌への影響は変わらない

これらから、オーガニックコットンが人に優しいと言われているのは、綿花を栽培するうえで地球上の環境と労働の負荷を抑え、それらがもたらす人間への寄与を示していると考えるべきです。

ここで重要となるのは、これら製造過程が当然のごとく綿やその先の製品の品質に影響されているかのように思われていることです。

言い換えればオーガニックコットン製品が肌や体に優しいかは別の話と考えるべきではないでしょうか。

先の調査結果では、通常のコットンは収穫後の洗浄により残量農薬はとても少なく、オーガニックコットンとの違いを示すことは科学的分析によっても困難と報告書にも記されています。

これらの調査報告により、“オーガニックコットン=肌にやさしい”などの表記は、現段階では科学的根拠はないと言えます。

また、認証機関によって認証されたオーガニックコットンを使用した商品は「オーガニックコットン製品」として販売されていますが、実はここにポイントがあります。
混用率の下限は定められておらず、○○%使用と表記さえすれば「オーガニックコットン製品」として販売できるのです。

その代表的な製品が色鮮やかなシャツやタオルです。

「オーガニックコットンを使用」と書かれているだけで、何の躊躇もなく“自然で肌にやさしそう”と手に取りますが、色が染まっている商品は化学染料で染めあげたものがほとんどです。(草木染めなど天然素材にこだわった染料は別です)

つまり、オーガニックコットン=綿の生産工程が違うものということを理解したうえで、肌に優しいなどのイメージを持つ必要はないということになります。

いや、むしろオーガニックコットンによる肌のトラブルが生じるケースがあるぐらいです。

4.オーガニックコットンの落とし穴

オーガニックコットンによる肌のトラブル??

本当に気を付けなくはならないのは、オーガニックコットン100%使用のものです。

製造過程においてこだわり抜いた綿は化学物質による洗浄も行いません。
実はここに落とし穴があります。

摘まれた綿は自然体のままですので綿独自の油分や不純物等も含まれたまま製品化されます。綿独特の生成り色(きなりいろ)の製品は非常に魅力的で、出産祝いなどに贈られますが、一方で赤ちゃんの肌のトラブルになるケースがあります。

このトラブルについて今治市の染料工場で某製品の実験を見学させていただきました。

通常のコットンと100%オーガニックコットンの製品を並べて、同時に上からスポイトで水を垂らします。すると一目瞭然です。
通常のコットンは瞬時に水を吸収したのに対して、100%オーガニックコットンは製品の上で水玉を作り、水を吸収しないのです。

つまり、油分や不純物もそのままに製品化した弊害として、赤ちゃんの汗を吸わずに肌のトラブルを生じさせたのです。

これらから、綿の品質の良し悪しはオーガニックか否に左右されるのではなく、綿の種類や長さに左右されるものであることをご認識いただいたうえで、よりよい綿製品を選択していただければと思います。

※これらのオーガニックコットンおよび実験について、すべてが該当するものではありません。

当社製品で使用されている綿についてはこちらをご参照ください。

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